2007-06-15

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ




「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」本谷 有希子 (著)

数時間で読んでしまいました。一言で感想をいうと、「怖かった!」です。
本谷さんは、劇団を主宰していらっしゃるということもあり、描写が、非常にすばらしく、読んでいるそばから、頭の中に劇場がひろがります。


簡単なストーリー・・・

少女のころから、美しい容姿を持つが「唯一無二の存在の存在である。特別な人間なのだ。」と女優になることを夢に描く、姉の“澄伽”は、傲慢であり、女優の素質がない。自分が絶対的な存在であることを証明することに対する激しいまでの情熱が、田舎のマチの中で、突拍子もない行動をおこさせる。

そんな姉の“おもしろさ”を題材にし、罪の意識を深く感じながらも、表現することをやめられない、ホラー漫画を描く妹の“清深”。

姉妹の腹違いの兄“宍道”とその妻であり、元孤児の“待子”。

両親を交通事故で亡くし、“澄伽”が東京から3人が暮らす田舎に帰ってくるところからはじまります。
女優の夢を持ち、東京へ出た彼女はいまだに芽がでないことを、過去に彼女を題材に漫画を投稿した妹のせいだと、次の日から復讐がはじまります。

女優になるための最後の頼みの綱ともゆうべき新人監督との「文通」でもうすぐ自分の存在が証明できると希望を持つ姉…そして、今まで「やつあたりをしていた」ことをみとめ、妹を許すと言う。

が、しかし…

コレ以降は、か映画をご覧下さいませ。


この4人がくりひろげる、人間ドラマです。でも、このお話し自体が、ホラーでもあると思います。

記しませんでしたが、宍道と待子もとても個性的な人であり、4人ひとりひとりの性格やものの考え方、それによる行動についても非常に興味深かったです。

ラストの意外な展開に「わー!やられた」となりました。

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